しゅんすけ

ブラック・ウィドウのしゅんすけのレビュー・感想・評価

ブラック・ウィドウ(2021年製作の映画)
3.9
「ブラック・ウィドウ」

「ライトハウス」を鑑賞後、池袋に移動して、グランドシネマサンシャイン池袋のIMAXで観てきました。

 結論から言えば、「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」の下位互換な感じの映画でした。ポリティカルサスペンスな感じの作り、悪役の造形や設定、クライマックスの「落下」の様子など、「あれ? ウィンター・ソルジャーで観たぞ?」というものばかりでした。

 キャラは良し、フェミニズム的な社会的メッセージ良しではあるんですが、アクションのカタルシスが圧倒的に不足していて、もうちょっとスカッとさせてくれよという感じでした。

 特にそう感じさせたのが、悪役周りの決着のつけ方で、「ざまぁ」という感じが圧倒的に足りない。例えば、実は子供たちが苛烈な環境下で私的な理由の為に訓練されて・・・みたいな映画だったら、「ローガン」とかも本作に近いかと思うのですが、「ローガン」はまさに悪役が見事なまでにやられて、「ざまぁ」という点はクリアしていました。そして、「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」も、その点はクリアしていたと思います。

 話的には、「シビル・ウォー」後ということで、アベンジャーズという「家族」がバラバラになってしまったブラック・ウィドウが、もう1つの「家族」を再生させるという物語としては、よくできているなという感じなのですが、結局、MCU全体の中で見ると、あまりにも「途中」の話すぎて、明確な決着がつかないので、全体的にはもやっとした印象でした。まあ、いつものED後のおまけ映像を見ると、また次が観たくなる仕掛けがしてあって、そのあたりの用意周到さには毎回びっくりさせられるし、悔しいかな、これ観ないと後続のMCU作品わからなくなるがな・・・という作りは流石だと思います。

 役者に関しては、みんないい。特に、「タイラー・レイク」など悪役まわりの役どころが多かった、デヴィッド・ハーバーはもっといろんなシーンが観たかったなという印象でした。フローレンス・ピューは妹役がすごく似合ってるという感じですね。

 MCUのなかでは、個人的には、下から数えたほうが早いぐらいな作品ではありましたが、迫力はあるので、IMAXを体感したい!とかだったら、おすすめかなというところです。