さすらいの旅人

ブラック・ウィドウのさすらいの旅人のレビュー・感想・評価

ブラック・ウィドウ(2021年製作の映画)
4.0
アクション映画なのに家族愛が切ないマーベル作品
【VOD/Disney+/配信視聴/4K・IMAXver=シネスコ・ビスタサイズ】

配信映像メニューに4K・IMAXバージョンがあったので選択鑑賞。
IMAX劇場と同じで、画面サイズが通常はシネスコサイズだがアクションシーンになると最大画面のビスタサイズになる。映像の美しさと広がり、音響の迫力が全く違うので驚いた。
さて、本作であるが非常に面白かった。

アベンジャーズで活躍しているブラック・ウィドウの前日譚の話である。彼女と妹を暗殺者に育てた「レッド・ルーム」の謎と対決を描いたマーベル得意のアクション大作だ。
オープニングでの両親と姉妹の4人家族での幸福な生活から始まる物語は、後半に驚きの展開が待っている。この映画の見所がこの家族の物語だ。
中盤で20年ぶりにこの家族が一軒家に集まるシーンがある。姉妹の幼少期のアルバムをめくるなどして昔の楽しい日々を思い出す場面でがあるが、言葉少ない会話が何故か切なくて感動する。人間ドラマとしても秀逸だ。

アクションSFXのスケール感がまた凄い。スピード感あふれるカーチェイス、雪山谷底でのヘリコプターアクション、巨大「レッド・ルーム」要塞での落下空中戦などド迫力で十分満足できた。また、アクション意外でも「決めるポーズ」の実践などウィットに富むシーンもあり笑わせてくれた。

ブラック・ウィドウを演じたスカーレット・ヨハンソンは挫折しながら難敵を倒す不屈の姿はかっこよくてシビれた。また、妹役のフローレンス・ピューは可愛かった。両親役のデヴット・ハーバーとレイチェル・ワイズも親の心温まる愛情を感じた。ただ、「レッド・ルーム」の支配者役のレイ・ウィンストンはもう少し強い悪役にしてほしかった。

本作はやはり映画館で見るべき作品だ。ディズニーは配信中心にシフトを変えたが、映画館という限られた空間で見知らぬ観客同志が、共通の感動を共有できる映画館の魅力は捨てがたい。