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映画はアリスから始まったの10000lyfhのレビュー・感想・評価

映画はアリスから始まった(2018年製作の映画)
3.5
19世紀末におそらく映画史上初の物語映画を監督し、20世紀初頭に映画の発展に貢献するも、映画史から忘れ去られたアリス・ギイの再評価を推進するドキュメンタリ。本作冒頭でアリスを知らないと発言する多くの映画人たち同様、私も浅学にして、リュミエール兄弟とメリエスをつなぐ彼女を知らず、その学びだけでも、本作の製作陣に感謝。黎明期に映画監督が女性向きの仕事と考えられていたのも興味深い。映画史家たちにより、アリス監督作品が他監督のものとされたりしたのは、恣意的ではなく単にリサーチ不足やミスだったと思うが、背後に制度的性差別の影響があったとは言えるだろう。また、歴史がリサーチャーの主観で「解釈」される過程の一例も、改めて目撃した。冒頭のハリウッド映画史遡りなど、インフォグラフィックの作り込み入念。気になったのは、アリスの映画というより、本作監督のリサーチ日記な感が強いこと。発掘ヴィデオ修復など、全部スペルアウトしなくてもよいかと。劇伴はシンセとかで控えめ
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