シネラー

ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -のシネラーのレビュー・感想・評価

4.5
職場の同僚から
「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」
をお勧めされた後、
TVシリーズ全13話とOVA1話を視聴し、
そのままの流れで本作も初鑑賞。
90分の中で見事な物語を描いており、
涙腺を刺激される淡くて温かい映画だった。

物語は二部構成となっており、
自動手記人形として手紙の代筆を行う
ヴァイオレットが家庭教師を任せられ、
女学校に寄宿するイザベラと友達に
なっていく第一部。
そこから数年後、そのイザベラの
妹テイラーとヴァイオレットが交流する
第二部となっている。
生き別れた姉妹を描いた物語であり、
その双方が重なり合う描写は儚くも
温かく感じられた。
姉妹に希望を持たせる結末と余韻も
素晴らしく、物語の主役はイザベラと
テイラーの姉妹であると思った。
それでもヴァイオレットが綴る手紙から織り成す、
郵便配達の尊さも描かれており、
狂言回し的な役割を果たすヴァイオレットの
存在感が薄くなっていなくて良かった。
又、TVシリーズで美しかった作画や背景が、
本作では更に輪をかけて美しく、
純粋にアニメーションの綺麗さで
感動したのは個人的に久しぶりだった。
加えて、第二部になると近代化した
都市が描かれており、
そこも新鮮味があって良かった。

シリーズに触れた事がない
初見の人でも十分に楽しめる内容で、
ここからTVシリーズを見始めても
良い作品だと思った。
書くことが少なくなった手紙という
媒体ではあるが、
届いたりすると特別な嬉しさがある事を
上手く伝えている作品だった。
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