コマミー

ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -のコマミーのレビュー・感想・評価

4.0
【手紙に込めて…】

  [気まぐれ映画レビューNo.45]

※最近、本作の"TVアニメ版"を観て、凄い泣かされまして、その勢いに乗って、"スペシャル"とこの"外伝"を鑑賞しました。1話1話に大変重みがあり、大変オススメ出来る作品でした。"京アニ"の皆さんにも、素敵な作品をアニメーションにして下さって、心から感謝の意を贈りたいです。


"大切なものを守るため"に、離れ離れになった、"エイミーとテイラー"の二人の姉妹。

エイミーは、イザベラに改名し、全く違う生き方を強要されている。
そこに愛はあるのか?…イザベラは絶望していた。

妹のテイラーは、エイミーと別れたあと、孤児院に入る。寂しさを堪えながら、いつか姉と再開できる日を待っている。年月が過ぎ、成長したエイミーは孤児院を抜け出し、ある所にやってくる。

そんな二人に、愛を知るため"自動手記人形"になった"ヴァイオレット"が手を差し伸べる。


京アニがアニメ化した作品の中でも、最も"メッセージ性に溢れた作品"が「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」である。戦争の道具として生きてきた女性が、ある人から言われた「愛」というものを知るために、そこに最も近い所にいる「自動手記人形」と言う職業に入る物語である。
いわゆる"タイプライター"を使って、依頼人の声に合わせて手紙を書く役目をするのが郵便屋の仕事が、自動手記人形なのだ。
タイプライターが出てくるだけでも自分は興奮してしまう。タイプライターが出てくる作品には傑作が多いし、その存在感に"美しさ"を感じてしまうからだ。

この作品もその美しさと言葉の存在感を永遠に感じさせる作品だと思っている。そしてこの劇場版第一作も、手紙に込めた言葉を通して、[愛の伝え方にはどのようなものがあるのか]をしっかりと伝えている作品なのだ。
離れ離れになっていても繋がっている…、という事を、手紙と言う手段を使って姉妹が書き上げる姿は胸熱ものだった。そして、ヴァイオレットもまた愛について曖昧ながらも、"二人を包み込むように手助けをする"姿も、本当の男よりも男前なのだなと、人としての"手本"のように見えたのだ。

それまで本当に興味がなかった僕を、振り向かせた本作…。京アニの魂が詰まった作品…。愛の本当の意味について教えてくれる作品…。

少なくとも、僕にとってもこの外伝も含めて、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」という作品は特別な作品になりました。
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