YNagashima

燃ゆる女の肖像のYNagashimaのネタバレレビュー・内容・結末

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

この映画には男性がわずかしか登場しない。登場する場合も船漕ぎとか配達人とか絵画の品評会に来ている貴族たちなどで、すべてモブキャラ扱い。つまりこの映画は全篇を通してほぼ女性だけで物語がつづられる。にも関わらずそこで描かれているのは、男性社会の中で女性が被ってきた生きることの困難だ。最後の劇場のシーンでもエルローズの旦那は登場しない。そしてエルローズは打ちのめされたような表情で涙を流す。これは、ストレートに解釈すれば、エルローズなりに貴婦人として男性社会に順応しようとがんばってみたものの、やっぱめちゃくちゃきつくて泣いている(=まだまだこの世の中は男性社会で女性は生きにくさを抱えさせられている)、ということだろうか。どうなのだろうか。もし男性が存在しない世界で生きていけるとしたら、そう望む人もいるのだろうな、と映画をみたあとぼんやり考えた。
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