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燃ゆる女の肖像のYOUのレビュー・感想・評価

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)
4.5
セリーヌ・シアマが監督・脚本を務めた2019年公開のフランス映画。
18世紀のフランス・ブルターニュを舞台に、女性画家のマリアンヌと令嬢エロイーズとの肖像画を通して急速に深まる2人の愛を、現在のマリアンヌが回想する形で語られます。男性優位な時代における女性の同性愛を真正面から描いた作品ですが、ジェンダーレス的なメッセージはほとんど感じさせず、「画家とモデル」という構造とそこから移り変わっていく二者の関係性にこそフォーカスが当てられています。愛し合う関係になってからもその語り口は非常に乾いており、「限られた特別な時間」という終わりの見えている儚さとその尊さ、時代や身分的にも2人は決して許されない関係にあるという社会の圧力などが感じ取れます。そして本作で真に感動させられるのは何と言ってもあのラスト!二者の構造や関係性などを示す「視線の交差」という重要な要素、回想劇という物語構成、劇伴や色調が抑えられたドライな演出、会話の中で引用されたオルフェウスの物語とその結末、そして劇中に登場するあの絵画以上に象徴的に表されたまさに”燃ゆる女の肖像”と言うべきラストショットなどなどなど、これまで描かれてきた物語の全てを余す事なくかっさらう圧巻過ぎるラストでした。

劇場で観れて本当に良かったです。ラストシーンの力が凄過ぎて、気が付いたらエンドロールもとっくに終わってました。それは各国の賞を総なめするのも当然ですよね。凄まじい映画体験でした、是非。




































































































絵上手い人って本当に尊敬する。僕は犬すらろくに描けません。
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