とあるパチーノ

燃ゆる女の肖像のとあるパチーノのネタバレレビュー・内容・結末

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

振り返ってと呼び掛けるシーンや、再開と称した肖像画の28ページのくだりやら、ヴィヴァルディの音楽やらの伏線に気付きながらこの映画を観れていたら、もっと抑揚を味わえて、ハマれたのかもしれない。

突然の股間モザイクからの、性に焦点を当てていく展開に違和感を覚え、そこからはストーリーに没入出来ない感じになってしまった。
美術館に行って綺麗な絵画を色々見たけども、結局特に印象に残らなかった時のような感覚に陥った。

何となくキャロルを思い出しながら、この手の映画は好みじゃないことに気付いたと思いつつ鑑賞してしまったが、
好みじゃないと気付いたつもりになったこの手の映画とは何か、改めて考えてみるとよく分からなくなってきた。

堕胎してる横で赤ちゃんが手を握って微笑んでるシーンも、何かしらの知識があれば見方が変わるのかもしれないが、死と生の対比をとってつけた感じにしか受け取れなかった。

おそらくハマらなかった一因は自分の理解力にあって、色々な伏線や事象を理解出来ていれば、観終わった後の印象は全然違うものになっていたんじゃないかと思う。