あろわ

燃ゆる女の肖像のあろわのレビュー・感想・評価

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)
4.4
18世紀のフランス。絵を公表するのも男性の名前で、結婚も男性のモノになるという風潮の超男性中心社会の中で、静かに強い意志を持って生きる女性たちが描かれる。

映像と音が、とにかく美しい。
エロイーズの気持ちを表すような荒波、蝋燭から蝋燭へとうつされる火、ドレスに燃え移る炎、キャンパスをこする木炭のタッチ…
相手をみつめるときの強い眼差し、視線の交差も綺麗。画家がモデルを一方的にみているかと思いきや、その逆も然り。

お母さんがいなくなった間のソフィ含めた3人の自由な時間も素敵だった。ギリシャ神話について真剣に議論するところは、マリアンヌとエロイーズの別れのシーンにも繋がる。芸術家として振り返ったというより、振り返ってと言われて思わず…愛ゆえの行動をしてしまったね。

ラストの、視線が交わされることのない、それでいてまだ互いの愛を認識する2つの再会シーンも美しかった。
素敵な映画でした。
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