吉

燃ゆる女の肖像の吉のネタバレレビュー・内容・結末

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

主人公が絵画を通して相手を見ることは平気なのに、直接相手を見ること(ソフィの中絶やエロイーズの花嫁姿)を恐れているのが気になった。

終盤「父の名前で絵を描いている」という台詞があったので、
彼女は男性の目線を借りれば女性を直視できるが、男性という目線を外したら彼女は女性の役割(男に嫁ぐことや出産)を直視することに耐えられないからなんだろうか。考えすぎな気もする。

ラスト、エロイーズは見られる側(女性)になってしまったのか自分の中で答えが出なかった。

君の名前で僕を呼んで同様に相手を突き放すラストだったが、君の名前で僕を呼んでは誠意を大人が踏み躙るような印象があったけど、
燃ゆる女の肖像はエロイーズが女の役割を果たしたからこそ自然と2人が離れてしまった印象がある。
見る/見られるという平等な関係から、
一方的な見るという関係に変化する、目線が交差しないことの残酷さが後味で残った。
吉