kanko

名もなき生涯のkankoのレビュー・感想・評価

名もなき生涯(2019年製作の映画)
4.0
重く締め付けられるような気持ちで見続けた。
最初は美しい村でのどかに幸せに暮らしてた夫婦が戦争によって翻弄かれていく映画とざっくり考えていたけれどとんでもなかった。
単純な戦争映画ではなくて人間の本質を問う、そして宗教とは、神とはを問う映画だった。

カメラワークが印象的でした。広角で捉えた映像は何か落ち着かなく迫ってくるものがあってこちら側が問われているような気持ちになった。

ふと頭をよぎったのは「沈黙」何の罪もない人間が突然この様な迫害を暴力を受ける事のやり切れなさ、憤りが自分の中で巻き起こる。

途中で父(神)に話しかけるシーンが深く刺さりました。

「主は何もなさらない」
「主はどちらに なぜ私達をお創りに」

情勢に流される人々、流されない人を差別する人々、人間の醜さと弱さも描かれている訳だけれど、もしも自分が妻の立場だったら本人だったらと思うとこの様には到底生きる事はできないと思う。

いいじゃない、生き延びることの方可愛い大事だよと何度頭の中で思ったか。

美しすぎる自然が無情だなと思った。
最後のジョージ・エリオットの言葉は素晴らしかったです。