毬藻

名もなき生涯の毬藻のレビュー・感想・評価

名もなき生涯(2019年製作の映画)
3.6


誠実にも傲慢にも生きる人々、無情にも信じたものに死んでいく人々、そんな人間の営みなど関係なく、ただ美しく季節を彩り人々を生かす自然。そのコントラストの強さに涙が出る。

踏み絵を学んだ時もそうだった「その場凌ぎで踏むだけなのに...」と。
「一言、口先だけでもいいから言えばいいのに」
この、曲げられない信念や信仰をわたしはたぶん一生理解できないと思うけれど、そういう人がいるということは忘れないでいたい。

観た後、激情に溢れた映画のはずなのに、一篇の詩を読んだように心が凪いでいる。
毬藻

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