ドント

バクラウ 地図から消された村のドントのレビュー・感想・評価

3.9
 2019年。これはなかなかに面白かったが感想に困る映画だぜ! 給水タンクを引いた車に乗り合って故郷・バクラウに一人の女性が帰ってくる場面から物語ははじまる。村の長老たる老婆が死んだのだ。そして村の周囲では、なにやら動きが…………
 ちょっと変わった村の開示と不穏な出来事の展開と共に、「これはどういう意味?」「今のは何だ?」「つまりどういうこと?」「えっUFO?」などの謎を点々とこぼしつつ進む怪映画。人類の歩みを踏まえれば大変真面目な内容でもあり、一方で「なめんじゃねーぞ?」な痛快ヤンキー物語(その表現はどうなんだ)でもあり、しかし全体にハッタリとコケオドシ感も漂っていて掴みどころがない。特にシンセ音楽の絶妙なチープさがなんとも言えぬ。
 アンチ西部劇と『HiGH&LOW』とを混ぜて「静かな怒り」「暴力」を加えたような味わいで、すごく真面目な顔で全裸踊りをしているみたいな感じがある、と書いてもたぶん伝わるまい。ポスターと上記のあらすじくらいしか知らずに観て大正解だったので、みんなもfilmarksでネタバレを踏む前に観るとよいと思う。わかりやすい説明はしてくれないけど、それがまたよろしい。観るとぐっと元気が出る映画です。
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