けーすけ

バクラウ 地図から消された村のけーすけのレビュー・感想・評価

3.5
例によってタイトル以外の前情報を一切入れずに鑑賞したのですが、これは正解だったのかな。

観る前⇒「戦争とか紛争に巻き込まれてしまった村の話かなー?」
観始め⇒「全然違うやん、、、。しかもゴリゴリCGのUFOっぽい物体が出てきたぞ…。B級だったか?」
中盤⇒「おっ。話の流れが面白くなってきたぞ」
終盤⇒「なるほどー!そういう事か!!おもしれえぇぇ!!!」

と、中盤以降でグっと面白くなった映画でした。


以下ネタバレはありませんが、本作は何も知らずに観た方が楽しめると思いますので気にされる方はご注意ください。







“今から数年後”のお話。ブラジルの辺境の村で長老・カルメリータが亡くなったことをきっかけに故郷の村バクラウに戻ってきたテレサ。
その後、不自然なツーリストが村にやってきたり、携帯の電波が繋がらなくなったりと不可解な出来事が村に起き始めて、果たしてその原因は、、、といった内容。
主要登場人物は数人いますが、テレサが重要な主役って感じでもないです。

ホラー的いきなりなビビらせはありませんが、銃殺、セックスシーン、全裸ノーモザイク、人体損壊描写とそこそこに激しめなので苦手な方や、一緒に鑑賞する人にはご注意を。という事でレーティングはR15+。



序盤の村までの道のりや、カルメリータの葬送で不穏な空気を匂わせていますが、デカい液晶画面のついた謎のDJトラックとDJにーちゃんがいたり、村に電気は通っており、スマホも使用できるなどそれなりの環境ではあるものの、暮らしぶりは貧困な環境そのもの。
そんななんだかチグハグな雰囲気も不気味というか気持ち悪い違和感がジワジワと溢れています。


物資の供給は近くの村のトニー・ジュニアという胡散臭い男が持ってくるが、水の利権を彼が握っており村人からは嫌われた存在。
このトニー・ジュニアも選挙戦で投票をしてほしいから凱旋トラックみたいな車を引き連れてやってくるのですが、その時に流してる音楽が絶妙にイラ立たせるのがかなり笑えたところ。

だけどそれ以上に大きな事件はまだ起きない…。
色々と不穏なテイストを匂わせつつも中盤まで何がテーマなのかが見えてこないので、かなり退屈に感じる人も多いかと。だけどそこまで我慢したところで、ある人物たちの登場によってガラっと本作の見え方が変わって物語が一気に動き始めます。

「なんかよくわからんし、つまんねーな」って思ってた気持ちもどこへやら。あっという間にこの世界に引きずり込まれました。


そのあと巻き起こる出来事もけっこう無茶苦茶なようだけど、どことなく現実世界の縮図のようで、ありえなくもない絶妙なリアリティを持っている気がしたところ。



後半の盛り返しと独特の雰囲気、なんともいえず面白い映画でした。気になった方はぜひぜひ。


2021/04/01(木) TSUTAYA DISCAS定額レンタルにて鑑賞。
[2021-032]
けーすけ

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