てつこてつ

キーパー ある兵士の奇跡のてつこてつのレビュー・感想・評価

キーパー ある兵士の奇跡(2018年製作の映画)
3.2
ドイツ兵として英国軍の捕虜となり、その後、サッカーの名門マンチャスターFCに加入し、イングランドリーグで初めて外国人として年間最優秀賞を受賞したこの選手の存在は知らなかった。

単純明快で分かりやすいストーリーだし、およそ12年間にかけての彼の波乱の人生の一部を2時間で描いていくので、潔いほどテンポが良い。とりわけ、後に彼の妻となる女性との出会いから結婚までは、いくら何でも上手く行き過ぎ・・初めてキスを交わしベッドに入るシーンの次のカットが二人の結婚式の翌日ってのは、おそらくかなりのシーンを切り捨ててるとみた。

地味ながらも主人公にはちゃんとドイツの俳優をキャスティングしているし、メインキャストの演技は丁寧でいい。イギリスの美しい田園風景が広がるロケも魅力的。プロ入り後のサッカーの試合シーンもエキストラを競技場にきっちり入れてそれなりの迫力。

但し、やはり駆け足で描き過ぎた感があり、実存した人物の半生の上澄みだけをすくった薄さをどうしても感じてしまう。

夫婦に大きな悲劇に見舞われた後の岬のシーンのやり取りは、この後、夫婦が辿った運命を考えると実に説得力がある。
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