つるみん

キーパー ある兵士の奇跡のつるみんのレビュー・感想・評価

キーパー ある兵士の奇跡(2018年製作の映画)
3.6
〝I'd rather have danced with you than stood on the battlefield... But I did have no choice.〟

WW2で捕虜としてイギリスの収容所に送り込まれたナチス兵士のバート・トラウトマン。そんな彼が終戦後にイギリスとドイツを結ぶ平和の架け橋となり、やがてマンチェスター・シティの絶対的守護神(ゴールキーパー)として国民的ヒーローになる実話。

生きてる意味を失う地獄の捕虜生活。タバコ稼ぎに始めたPK戦から、まさかスカウトされるなんて(笑)
もちろん当時、戦争が終わっていたとしてもドイツ人に対しての偏見というのは誰もが持っているもので、その中でトラウトマンは自身のプレーで信頼を掴むしかなった。その勇気と精神は計り知れないもの。

徐々に皆がトラウトマンという名字よりバートと名前で呼ぶようになる信頼感などは観ていて非常に微笑ましい。またバートと恋仲になるイギリス人女性との出会いも本作において大きなポイント。少しであったが強い女性像というものを見せつけ、勇気を貰える。ダンスを誘うかどうかのお互いの空気の読み合いのシーンなどはキュンキュンだった。

観終わった後は、思っていたよりも明るい映画で、思っていたよりも重い映画という印象。

国が起こした戦争。個人で考えれば皆が被害者なのは当たり前。人類の壁を乗り越えた愛に、そしてスポーツの素晴らしさに感動すること間違いなし。特にサッカー好きな方は、この歴史を知っておくべきかと。野球好きで言ったら『42』的な。
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