みむさん

レ・ミゼラブルのみむさんのレビュー・感想・評価

レ・ミゼラブル(2019年製作の映画)
4.0
トロント国際映画祭にて。
北米プレミア

あのレミゼラブルと関係あるのかないのかはあえて調べず、カンヌ審査員賞受賞という事前情報だけで見てビックリした映画。

これはあのレミゼにインスパイアされた、精神を引き継いだまさに現代のストーリー(2018フランスがサッカーW杯優勝、ムバッペとか話題にあがるし)かなと思うが、あのイメージでいくとほんとビックリする。

緊張感がまずすごい…。
コドモたちがサッカーの話題にキャッキャして、無邪気に遊びまわっているあのなごやかな雰囲気はつかの間。

とある事件を機に事態が変わっていく。子供たちも変わっていく。
無知ゆえ幼さゆえの行動、ひとつひとつをとってみると、大人が簡単におさえられると思うのだけど、それが集団になった時…!

これは恐ろしいのだけど、その恐ろしさが日常のちょっとした誤り、差別、過失に起因してて、それがきっかけで引き起こっているというのが、まさにどこでも起こりそうで戦慄。
大人はコドモをなめていた…
なんとかなると思っていた…
そんな風に見えてしまう。

ぼくたちコドモだって一人の人間なんだと無意識のうちに怒りを溜め込んだ子たちの思いが爆発したとき…

想像以上なことがおこる。
武器や悪知恵は持ち合わせていなくても、一人では微力でも、彼らが日常的に遊んでいる中で自然と身に付いた「どってことない」ことやものが武器になり集団になりその力を増す。

2018年を舞台にした話、ここにも差別や格差が根底にはあると思う。
恐ろしいが大人たちの歪んだ思考や偏見は貧困ゆえのゆとりのなさからきているのではと思えるのがなんともいえぬ後味を残す。
子供をちゃんと見守らなければならない大人に余裕はない。そんな社会はギスギスを通り越していた。

いやーすごかった…
見たあと考え込んでしまった。
隣に座っていたご婦人は終盤耳をふさいでうずくまっていたよ…