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レ・ミゼラブルのemediaのレビュー・感想・評価

レ・ミゼラブル(2019年製作の映画)
4.2
この「怒り」には充たされることのない暮らしと
導くことすら放棄した人々への慟哭がある
誰もが何かに脅えて
誰かを威嚇しながら己れを守る

イッサの場合も始まりは単なる悪戯なのだろう
相手が誰だろうと窃盗に深い意味も想いもない

人を育てるには教師や親ばかりでは足りない
愛されるべき環境は日々の空気であり潤いであり
人種や宗教の隔たりと貧困を隠れ蓑に犯罪が蔓延るなら
ここを居心地がいいと寄り添う子もいるだろう
ここに居ることが安らぎとさえ感じるだろう
もう「怒り」の矛先は誰でも構わない
脅えるくらいなら誰かを傷つけて終わらせる
イッサと向かい合ったステファンには
何かを終わらせることができるのだろうか?
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