たいてぃー

家族を想うときのたいてぃーのレビュー・感想・評価

家族を想うとき(2019年製作の映画)
3.8
「ルール」って言葉がよく出てくる。主人公のリッキーが新たに働き始めた運送会社でのことだが、個人業者として働くのだから、休むのなら人を雇え!機器を壊したなら弁償しろ!って、厳し過ぎだろ。そしてリッキーが長男に対しても、「ルール」を諭す。多感な少年を束縛するのもどうかと思うが、この長男の行動も度を超えてて。
こんなイギリスの市井の人たちの苦境を鑑みて、ケン・ローチ監督が、またまた引退を撤回して、本作を製作。前作の「わたしは、ダニエル・ブレイク」では、たまにユーモラスな表現もあったが、本作はほとんどない。リアルなシーンの連続で、ちょっと疲れる。でも家族愛で、ほっこりするシーンがあり、そこは癒された。
それと、リッキーの妻の電話での怒り具合が強烈。それまで介護士として母親として優しく温厚な雰囲気だったのに、いきなりの豹変。でも、その後に泣くんだよね。ズシンと来る。
ラストシーンでのリッキーの顔もインパクト大。頭にこびり付いてしまった。これもリアル過ぎでキツいけど、本作を象徴していて、いいシーン。