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家族を想うときのkeitoesのレビュー・感想・評価

家族を想うとき(2019年製作の映画)
4.1
ほんの少しだけ、ひずみが生じる

けれどそれは、悪意を持っていた結果では全くなくて、誰しもが生きるうえで自然と生み出してしまっている、本当に些細なもの

例えば、はじめは自販機の横にあるゴミ箱にペットボトル以外のものを捨てちゃったくらいの罪悪だったはずなのに、いつの間にか他人を傷つけてしまったりしている

決して誰かを傷つけようとした訳じゃないのに、結果的に傷つけてしまっている

とにかく、何か一昔前のミスチルの歌詞にありそうな小さな出来事から、いつの間にか巨悪と闘っているみたいな話で、いや闘ってるわけじゃないんだけど、誰が1番の悪なのかは誰も分からないままじわじわ追い詰められて、良くない連鎖の中で、それでも小さな光を見出して行こう、みたいな

何を言いたいか、うまくまとまらなくなってしまったけれど、この映画もほんの些細な出来事から、ちりばめられた数々の要素が少しずつジェンガのように崩れ落ちていく、そんな様が描かれている

でも、このジェンガみたい崩れていく事象は貧困層の問題だけでなく、大企業に勤めていたって、幸せな日々を過ごしていたって起こり得る、多くの人々に関連することだ

そういった不安がドンドン広がっていき、今日は眠れなくなりそうだ、と観た時に思いました
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