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家族を想うときのSHUのレビュー・感想・評価

家族を想うとき(2019年製作の映画)
4.7
観る人の心に刺さる素晴らしい作品。映画だという事を忘れるくらい描写がリアルで、とても愛に溢れていて、だからこそ胸が苦しくなる。
ケン・ローチ監督が引退を撤回してまでも、世に届けたかった作品。

追い込まれた時ほど、苦しい時ほど、怒りに飲まれるのではなく、自分の周りにいる味方に頼って・甘えて、一緒に苦しみを共有して乗り越えていく・生きていくことが大切だと思った。
結婚・子育て・家庭と仕事との両立など"家族"についてとても考えさせられた作品でした。

最後に、ケン・ローチ監督のインタビューの言葉をここに残したい。

「1日14時間、くたくたになるまで働いているバンのドライバーを介して買った物を手に入れるということが、持続可能なシステムなのか?友人や家族の関係性までに影響を及ぼしてしまうほどの、プレッシャーのもとで人々が働き、人生を狭めるような世界を、私たちは望んでいるのだろうか?資本主義のシステムは、金を儲けることが目的で、労働者の生活の質には関係がない。ごく普通の家族が、ワーキング・プアに追い込まれてしまう。だから登場人物に共感し、彼らと共に笑い、彼らの問題を自分ごとのように感じて欲しい」
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