ましゅー

リトル・ジョーのましゅーのレビュー・感想・評価

リトル・ジョー(2019年製作の映画)
3.7
何だか今週はむちゃくちゃ疲れていました。昨日からの四連休が逆にプレッシャーになってか、月曜からの3日間は21時近くまで残業後帰宅で、毎日連続の寝落ち。
(一昨日はつい解放感からまた立ち飲んじゃったってのもありますが😅 最近postはしてませんが、休み前の立ち飲みが常態化しつつあるなぁ…🤔)
.
そんな訳で今週日曜に観たのが本作です。
いや。前々から宣言してる通り、本当は「透明人間」が観たくて堪らなかったのですよ?しかしここが自分自身で面白いなぁと思うところ。
.
先週土曜、急にWebマンガが気になって大人買いで8巻分のコミックスを一気読みしてしまったのは先週postの通り。
.
その後 明日(日曜)こそは映画を観なくちゃ!と慌てて近所のシネコンの上映時間を調べていると、透明人間やその他主要な作品は5つのうち複数館で演っているのに対し、シンプルなタイトルながら一つ目に止まった作品が。
.
いつもは何の変哲もない大衆娯楽作や、子供向けの映画しか上映しない(相変わらず偏見です。すいません🙏)109シネマズ港北に燦然と輝いて見えたタイトルこそ本作です。

と言うのも、本劇場、神奈川で唯一、私自身どハマりした「T-34 レジェンド・オブ・ウォー」を上映してくれたシネコン。
.
近くではここでしか演ってないんならひょっとして掘り出し物では…?
しかも本作、都内で上映してるのはアップリンク渋谷だけか…(普段全然行かないからどこにあるか、分かんないや…)
透明人間は人気作みたいだし色んな所でしばらく演ってるだろうから…すぐに終わりそうなこっちを早く観なきゃ~~~😫❗
(との結論に至るまで実測約2秒)
.
……決まりです。
.
.
という訳でようやっと本作のレビューです😅
.
うん、これ、なかなかいいんじゃないですか?
.
SF?ホラー?スリラー?サスペンス?
画一的なジャンルにさっと当てはめる事は出来ませんし直接的な描写は全くないのに、全編私好みの不穏と不安が充満しています。
.
象徴的なのが『赤色』と『和楽器』。
.
『赤』は情熱的でエネルギーも感じさせるものの、一方で血の色、炎、怒り等も連想させ、明るいところでも少々キツい見た目ですが、それが暗がりに浮かび上がると、それはそれは不安になります。
.
そしてこれだけ西洋人だらけの絵面の中にポイントで鳴り渡る、尺八・琴・和太鼓など、まるで雅楽か(全然詳しくないのでイメージですが😳)正月のかるた取りのBGMのような背景音。簡易的でも普通にオーケストラとしてのサントラに慣れてしまったこの耳には、極めて新鮮。しかも執拗に短調の旋律で不穏な雰囲気を増幅させます。
日本人ですらそうなのですから、この音色に全く慣れていない西洋の方々はなおさらでしょうね。
.
正直出演してる役者さんは全く知らない人達ばかりですし、感情の爆発のようなものや激しい暴力等も全くありませんが、その分上記個性的な演出が奏功し、ストーリーの成り行きにいつの間にかジリジリ追い詰められているような感覚に没頭できます。
.
植物は言葉も発しませんし感情も表しません。でも生きています。その生物としての理(ことわり)をねじ曲げようとした人間に、静かに、なるも狡猾に、忍び寄って支配する。そんな知性的なものがいずれ生まれるのかそうでないのか。物言わぬ植物だけに、普通の人は全く気づかない(もちろん私自身も)との想像が容易だけに、やっぱりこのお話は恐ろしいんでしょうねぇ…😩
.
.
(以下 公式サイトINTRODUCTIONより抜粋)
新種の植物“リトルジョー"は、人を幸福にする特別な花。夢のような効力を持つこの真紅の花は、人々にいったいどんな変化をもたらすのか一。
.
カンヌ国際映画祭を静かに震撼させた、怪しくも美しいサイエンス・スリラー。
.
第72回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に選出された本作は、上映されるやいなや話題をさらい、主演のエミリー・ビーチャムに女優賞をもたらした。

バイオ企業の研究室に務めるシングルマザーのアリスは、人を幸せにする、真紅の美しい花の開発に成功する。アリスは、自らの息子の名前にちなんで“リトル・ジョー”と名付けるが、開発されたばかりのその花は、成長するにつれ人々にある変化をもたらす。アリスはその原因が“リトル・ジョー”の花粉の影響かもしれないと疑い始めるが……。
.
真紅の花“リトル・ジョー”を中心に、ヴィヴィットな色を基調とする本作は、どこかお伽話のように描かれる日常に不穏な空気が漂い、得体の知れない耽美な世界に観るものを誘う。SF的な題材を扱ったスリラーながら、懐かしい怪談の匂いさえする。唯一無二の世界観は、映画ファンなら必見だ。
ましゅー

ましゅー