2020.8.1
グザヴィエドラン最新作。
久々の主演。
オープニングカットはランニングジムで走る主役二人。快活でポルトガル系のマットと痣のあるマックス(グザヴィエドラン)。マッチョイズム。つまりホモソーシャル。
この映画は徹頭徹尾ホモソーシャルとホモフォビアの話だ。
ホモソーシャルのなかで生きる親友マットとマックスは友人の妹の映画のなかで無理矢理キスをさせられてしまい、互いの同性愛的感情に気付いてしまう。
マットは強烈な抵抗を示し池を泳いでいくが、結局はマックスに向かって戻されていく。マットは婚約者がいるので自分の感情を認められない。マックスは自分の感情に気づいているがマットにつれなくされる。
マックスの母親は統合失調症のようで、タバコを吸い理性を保っている。お金の管理で言い合いになり喧嘩する。母親が投げたライターで怪我するマックス。
あとで和解するも、
「言葉で言わないと。」という母親の言葉。
マックスとマットの、言葉では言えない関係。
マットの罵倒からの、友人のさりげない促しからの和解、そして濃厚な絡み。起たずに出ていく悲哀。最後、マックスが家の前で待っているのは、もはや必然だった。
ラストの男たちの表情、なんて美しいんだろう。