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マティアス&マキシムのericaのレビュー・感想・評価

マティアス&マキシム(2019年製作の映画)
3.9
ドラン監督作品を観るのはこれで4作目。
4作で何がわかるのって感じかもしれないけど、自分との相性の良さは感じてる。笑
本作は、ドランが『君の名前で僕を呼んで』に感銘を受けて作った作品だと聞いて楽しみにしていました。

うーーーん、切ない。
『君の名前で僕を呼んで』はラストこそ切ないけれど、それまでたっぷり2人が愛を深めるシーンが描かれていた
一方本作は、2人がくっつくのはほんのひと時で、それ以外はそれぞれが単独で描かれてる
もしくは仲間内でわちゃわちゃしているところに2人もいる、みたいな。

本作の2人の衣装の色は、エリオとオリヴァーにも通ずる青と赤。対の2人。
2人の心理的距離と物理的距離が綺麗に比例しているようで、その描き方が良かった。
特に、パーティーでソファの端と端に座ってちょこっと話すシーンの2人の絶妙な距離感と空気感は最高だったな。

マットは行動も言動もちょっとかわいそうなほどに"痛い"。
"親友に恋をしている自分"を受け入れたくない思い、"恋は盲目"になりたくない思いが強すぎて裏目に出てるというか、、まあ彼の立場的に葛藤するのもわかるけど。
どうしたってマックスの方が感情移入しやすいから、どうしてもマット批判になってしまうのだけど、ちょっと色々と良くないぞ。笑

でも、30の良い大人があんなになってしまうっていうどうしようもない愛おしさみたいなものをドランは描きたかったのかなって思うと、なんだかじわじわくる。

毎度描かれる母親との衝突もストーリーに溶け込むよう自然に盛り込み、
かつ絶妙な選曲センスと美しい構図、カメラワークはさすが。
映画館で観れてよかった。
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