バワリイという街での下街人情悲喜劇。
乱暴なる名匠ラオール・ウォルシュの的確な手腕で、その街の人格が現れる映画的マジック。
日本で言うと,任侠とその鳶職の人間模様,か?
対立する火消し隊(消防隊)と、そのボスとゴロツキたち。両ボスの“人気争い”が軸となる。
紆余曲折あって、一人の女(“キングコング”前夜のフェイ・レイ)を絡めながら,男と男の心意気が交差して行く。
モーリス・ビアリーとジョージ・ラフト、お互いにあんな奴とは共演したくない!と犬猿の仲で有ることを聞きつけたウォルシュは、俄然萌え(燃え)、本作に突入したと言う。その気概と緊張の中に、的確なカット割りで流れる様に進む、男の物語で,相反する男にもう一人、孤児の男の子(ジャッキー“スーパーマン”クーパー)が絡んで、人情がより昂まっていた。