星新一のショートショートにこんな一編がある。
とある惑星の宇宙人は地球人と同じ容姿をしている。そこで地球人は、私達の星ではキスをすることが挨拶なのだと嘘をつくことにした。
宇宙人は困惑するが、受け入れる。
美女とキスが出来て上機嫌だったが、
後にその部位は肛門であることがわかる…。
“惑星”によって挨拶が違う。
この教訓は宇宙人に寄り添うためのものだ。
自分のことばかりの少年アメッドはこの物語と共にコーランの解釈も間違えてしまった。
彼は宇宙人は排除すべきだと考えてしまった。
相手から見れば自分もまた宇宙人であるのに。
たかが挨拶。されど挨拶。
きっとそれは宇宙人との交信。
最後の“さよならの握手”。
あれは何に対しての「さよなら」なのだろうか。
いままでの自分にか。相手のこれからにか。
私は希望の電波をキャッチしたけど、
どちらにしてもダルデンヌ兄弟が伝えたいことは変わらない。