snatch

その手に触れるまでのsnatchのレビュー・感想・評価

その手に触れるまで(2019年製作の映画)
4.2
✨映画館✨に行ってきましたー‼︎ 2月の映画の日に観た「続・荒野の用心棒」以来です‼︎😆配信生活も楽しかったですが〰︎😊一年前からクリップしていた作品だったので観るぞ!と決めました🚃
これはパラサイトの影に隠れてしまいましたが、カンヌ映画祭監督賞を受賞したダルデンヌ兄弟の作品です。

今回も黙々と主人公を追うカメラ。この主人公も口数少なく表情変化も小さいので、じっと見つめていく。どうするんだろう、何考えているのだろう、と見ている自分の感情が目まぐるしく動く、離してはくれない強さの映画。
でも今回は難しかった。ダルデンヌ両先生のこの社会の現実、君も知っていたよね、と突きつけられる今までの作品と違い、このイスラム教を真摯に信じる少年を理解するのは簡単ではない事が、ずばり私たちとの距離なのだろう。少年のイスラム教の一見方による解釈に乗っ取っての徹底的な信心を私たちが非難拒否したら何も進まない。父親不在で、彼を愛して止まない母親を始め家族はベルギーの生活に同化し始め、先生達も彼が少しでも異国で暮らしやすいようにと努力している。洗脳されやすい子供の一直線の心にどう近づけばいいのか。誰にも止められない。
イスラム教の教えを広めるこの指導者は過激な考え方を子供に刷り込む、それを生真面目な子供ほど信じる。いい加減なヤツになれよー、アメッド‼︎と叫びたくなった…
彼の洗脳は、いつか冷めるといったケースとは違う、放っておく問題では終わらないのだ。移民の多い国で作った映画だとは思うが、私たちにも考えて欲しいと願っているのだろう。
ダルデンヌ両先生は、信徒たち自身にも、この映画を見て感じて欲しい。親のせいにしてはいけない、先生のせいにしてはいけない、彼女のせいにしてはいけない。自分を見つめて欲しいとも言っているのだろう。本当に死の淵までいって、その手に触れてやっと何が大切なのか分かる前までになんとかして…。そして、考え込んで途方に暮れた末、思想、環境、宗教、国は違えど〝こんにちは〟〝さようなら〟“ありがとう” とここから始めるのがやっぱ大事なんだなと…私は思うのでした。
snatch

snatch