その手に触れるまでの作品情報・感想・評価

「その手に触れるまで」に投稿された感想・評価

短くシンプルなストーリーなのに、力強さを感じさせるのがダルデンヌ作品。
本作も安定のクオリティ。
上映後のトイレでは思わずあの「手の洗い方」をしてしまった。
ダルデンヌ兄弟のアメッドへの抱擁するような慈愛に充ちた眼差し。
「君はまだ13歳、今の君はそう在るしかないんだね。大人になればいろんなことを理解してみんなを許せるようになるよ。」と言うかのよう。
アメッドの周りの大人たちは皆優しい。母も少年院の人たちも。アメッドが殺そうとしたイネス先生でさえも「彼を理解したい」と言ってくれるのだ。かえってアメッドが師と仰ぎ盲信していた導師の方が卑劣で自分勝手。
アメッドの100かゼロか、という思春期特有の融通の利かなさ、純粋さ、潔癖さが痛々しいほどなのだが、一方で心を許し依存する対象はあくまで母親だというのがまだまだ幼い。ラストでまたイネス先生を刺そうと試み(よね?)、建物から落ちて動けなくなったときに「ママ…ママ…」と言うところは「だから言ったこっちゃないだろ」的なw
物音を聞きつけて出てきたイネス先生との「その手に触れるまで」を描いた本作、アメッドの成長を予感させるハッピーエンドだと思います。
ようやくダルデンヌ作品を
劇場で観ることができました。
ダルデンヌ兄弟が、
ハンディカメラでの撮影に拘ってきた理由を
やっと理解したような。
臨場感と緊迫感、そして主人公への一体感。
大きなスクリーンでなければ、気付けませんでした。

アメッドの感情は、決して特別なことではないはず。
尾崎豊の歌に感化された当時の若者も
香港のデモに参加している若者も
ほとばしった感情の方向が違うだけで、
みんな同じだと思うのです。
だからこそ、今作はフィクションで
済ませてはいけないのではないでしょうか。
過激な思想に駆られる人に対し
何かしらのヒントになればよいと
心から感じました。

ラストの解釈を矯正してしまうような
邦題は好きではありません。
原題は『若きアメッド』といった意。
直訳でよかったかな…と感じます。
思春期の心は揺らぎやすいのですから。

先生の家へ向かうためバスに乗るアメッド。
殺意に満ちたイディル・ベン・アディ君の目が
忘れられません。
ダルデンヌ兄弟は、またまた素晴らしい役者を
見出しちゃいましたね。
越えたらダメよ、やっぱり、ね。生きてるモンは越えたらダメ。(笑)
Pon

Ponの感想・評価

3.5
面白いんだけど、ダルデンヌ作としては違和感。
もやっと終わるのが好きだったんだけど、宗教への批判的メッセージや登場人物の葛藤が感じられなかったり、そういう意図はないんだろうけど。
"宗教的"ものには拒否感を持ちがちな私たちだけど、権威のある宗教(キリスト、イスラム、仏)には疑いや批判を持つことはタブーとされる。教祖と主人公の関係性は宗教の縮図であり、この矛盾自体をついているかのようであった。
アラビア語を歌で歌うか、コーランで学ぶかの論争とかおもしろい、学校の教育方針を親も含めて決めるのはフランスらしかった。
主人公がただの過激派で共感しきれなかっただけかな。これは言ってしまったらだめだけど、ビジュアル的理由もあるのかなあ笑
nozomi

nozomiの感想・評価

-
ストイック・・・
綺麗事なんかじゃない。

手に触れることってすごく大事。

それだけで救われることって沢山あると思う。

余韻がスゴすぎる映画です。

ずっとこの映画は生き続けます、少なくとも私の中では!!
snatch

snatchの感想・評価

4.3
✨映画館✨に行ってきましたー‼︎ 2月の映画の日に観た「続・荒野の用心棒」以来です‼︎😆配信生活も楽しかったですが〰︎😊一年前からクリップしていた作品だったので観るぞ!と決めました🚃
これはパラサイトの影に隠れてしまいましたが、カンヌ映画祭監督賞を受賞したダルデンヌ兄弟の作品です。

今回も黙々と主人公を追うカメラ。この主人公も口数少なく表情変化も小さいので、じっと見つめていく。どうするんだろう、何考えているのだろう、と見ている自分の感情が目まぐるしく動く、離してはくれない強さの映画。
でも今回は難しかった。ダルデンヌ先生のこの社会の現実、君も知っていたよね、と突きつけられる今までの作品と違い、このイスラム教を真摯に信じる少年を理解するのは簡単ではない事が、ずばり私たちとの距離なのだろう。少年のイスラム教の一見方による解釈に乗っ取っての徹底的な信心を非難否定はできない。父親不在で、彼を愛して止まない母親を始め家族はベルギーの生活に同化し始め、先生達も彼が少しでも異国で暮らしやすいようにと努力している。しかし、洗脳されやすい子供の一直線の心は誰にも止められない。
イスラム教の教えを広めるこの指導者は過激な考え方を子供に刷り込む、それを生真面目な子供ほど信じる。いい加減なヤツになれよー、アメッド‼︎と叫びたくなった…
彼の洗脳は、いつか冷めるといったケースとは違う、放っておく問題では終わらないのだ。移民の多い国で作った映画だとは思うが、私たちにも考えて欲しいと願っているのだろう。
ダルデンヌ先生は、信徒たち自身にも、この映画を見て感じて欲しい。親のせいにしてはいけない、先生のせいにしてはいけない、彼女のせいにしてはいけない。自分を見つめて欲しいとも言っているのだろう。本当に死の淵までいって、その手に触れてやっと何が大切なのか分かる前までになんとかして…。そして、考え込んで途方に暮れた末、思想、環境、宗教、国は違えど〝こんにちは〟〝さようなら〟とここから始めるのがやっぱ大事なんだなと…私は思うのでした。
れん

れんの感想・評価

5.0
純粋で未熟な心ほどじりじりと浸透しこびりつく信仰、洗脳の怖さ、簡単に支配される人間の脆さ。生まれ育った環境で考え方がまるで変わってくる普遍性。思想の使い方次第で救いにも災いにもなる皮肉。複雑な社会問題や開けたテーマ性を含みながらもシンプルでスマートなストーリーテリングの巧さ、確固たる強度を持った作品。
かゆい

かゆいの感想・評価

3.0

このレビューはネタバレを含みます

1ヶ月前はゲームばっかりしてた子供があんな執念燃やして反逆者殺しに行く(x3)ようになるネットの預言者って何者なの。。

父親と従兄弟が不在のようだけど、ベルギーの見た感じ普通の家庭で育って1ヶ月前までゲームしてたならルーツはあってもそれなりに普通の価値観で生きてきたんだと思うけど、ママも酒飲みだけど育児放棄しているようなタイプではないし、ママが道を外さないようにとか外しても戻ってくるようにする間もないくらい速攻であんなコンビニの兄ちゃんとインターネットに言いくるめられてしまったんか?背景がもうちょい知りたかったけど、それが宗教と言われてしまうとそうですか。。てなる

13歳という純粋無垢なところがミソなのね。


今のとこムスリムになる予定はないのでstandard arabicを勉強したいなあ
おませなガール弟子入りさせてくださいって感じでした
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