かずき

7月の物語のかずきのネタバレレビュー・内容・結末

7月の物語(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

プールの監視員のジャンがミレナの足を触る前「僕は運動療法士の勉強をしてるんだ」と言った瞬間、女性が数名吹き出して笑った。そうよね。よく聞くセリフだよね。「マッサージが得意なんだよ」「骨が折れてるかも。救命の知識あるから見せて」とか。
ところどころのセリフに妙なリアルさがあった。あーこういう感じ、ちょーわかるーといったような。どこかで言った覚えのある、聞いた覚えのあるセリフが出てくる出てくる。学生と実習の中で作った映画で、ほとんど即興だったらしいので、彼女/彼らの日常がいたるところに出ているのだろう。

若いときって(人生100年で考えたら今も若いときなんだけど)みんな傲慢で未熟で、自分が楽しい方向に傾いちゃうから、ナンパ男に気をよくしちゃうミレナや、ついついシパンと踊っちゃうハンネの気持ちはよくわかる。
でも、若いときって怒りのエネルギーもたくさん持てるから、友達がナンパされて、居心地悪くなって怒っちゃうリュシーの気持ちもすごくわかるし、自分が気になっている人に絡む女友達に、激怒するサロメの気持ちも痛いほどわかる。みんな私だし、あとのきのあの人だった。

懐かしいけどもう戻りたくないような、そんな青春時代。今の言葉で言えば、最高にエモい映画だった。
かずき

かずき