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7月の物語のtdswordsworksのレビュー・感想・評価

7月の物語(2017年製作の映画)
3.6
秀作。ワークショップで制作されただけに、脚本も画もしっかりと映画のセオリーに倣っているのに、軽快なテンポで進むものだから、とても軽薄なラブコメを観ている気にさせる。それでいて、その実はキャラクターたちが言葉に出さない感情が見て取れ、それが伏線となってクライマックスを迎える、作家性の強い小品でもある。

とはいえ、なんだかな、男どもがみんなバカなんだけど、それに負けず劣らず女どももバカ。恋愛に注ぐ自らのエネルギーを持て余し、それがどれほどのものかをまだ測りかねている、第一部・第二部それぞれ2人の女性が、物語を動かしていくのだけど、それなら今泉力哉監督や三宅唱監督の映画のほうが、編み込まれた複合的な要素によってドラマ性が強くておもしろいとも思う。
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