えいがうるふ

ANNA/アナのえいがうるふのレビュー・感想・評価

ANNA/アナ(2019年製作の映画)
3.6
掃き溜めから掬われたスレンダー美女が暗殺者に仕立てられ・・・ある意味期待通りの味ではあるが予想を超えるものはない、ニキータの頃から良く言えば安定の、あるいは女の趣味と性癖に進歩のない相変わらずのベッソン節。
着せ替えシーンでの完璧なスーパーモデルっぷりとがっつりハードな格闘シーンを両立させた主演のサッシャ・ルスの美貌と根性、そしてやり手ババアが板につき過ぎのヘレン・ミレンの激渋な芝居はさすがに見応えがあったが、男性陣の描かれ方が今ひとつ、いやふたつ・・。

リュック・ベッソンは大好きな作品も多いだけに、このままハリウッドあるあるの晩節スキャンダルで自滅していくのかと思うと悲しい。どうか、完全にボケる前にその固定化された強く美しく都合の良い「俺の夢のヒロイン」ありきのストーリーテリングの感性をアップデートしてほしい。