しめじろー

スペシャルアクターズのしめじろーのネタバレレビュー・内容・結末

スペシャルアクターズ(2019年製作の映画)
2.2

このレビューはネタバレを含みます

ああ…ほんとに、本当にほっとした。ラストで。ラストまで、私これ1.0点とか付けなきゃいけないかもと思って…。

もう全くリアリティがない。いや!わかりますよ仰りたいことは。なくて当然でしょっていう。でももう、全くリアリティがない…。映画に入り込めないほどに…。
冒頭から「レスキューマン」とかいう謎の映像を見ている主人公なわけですけど、この映像がガチのマジでチープで早速リアリティがない。これ何でしょうか?昔TVでやってたフルハウス的なやつ?こんなカメラワークにこんな明るさにこんなカット割ある?すごい気が散ります。こういう小道具こそ凝るべきだと私は思うのですよ…。しかも最後まで見たらこれは、ここだけはリアル設定なわけですから!!
そんで主人公はペデデッキ上での警備バイト(何を守ってるの?)の最中に偶然出会った出張役者集団「スペシャルアクターズ」に仲間入り。怪しい詐欺宗教団体へ潜入します。ここでも役者集団のお仕事のガバガバ具合だったり宗教団体が子供の落書きみてえなペラペラ具合だったりとリアリティのない描写が続く。この辺から「これはファンタジーなんだ」と自分に言い聞かせて耐え凌ぐようになります。
私はトンデモ映画は好きですよ。でもギリギリでもいいから整合性を保ってほしい。確率を盛るファンタジーは好きですけど、理屈が通らないファンタジーは好きじゃない。大嘘をつくなら細部は正直であってほしい。
だから本当に中盤はキツかったです。嫌いな方のファンタジーでした。あんな芝居で誰が騙されるのか。宗教にどっぷりな人は、教祖が喋ったくらいで揺るぐことがあるだろうか。どこの馬の骨ともわからない輩が出してきた映像を信じるだろうか。クライマックスシーンもありえなさすぎてイライラしてしまいました。
なので!ラストである程度ひっくり返されて、ギリ理屈の通るファンタジーになって嬉しかったです。よかった…。終わり良ければ全て良し。主人公1人が異常に騙されやすかったと、主人公にはあの作戦が合っていたと、そういうことであればオッケーです。しかし、そこまでの、ラストまで延々続いたキツさはやはり拭えないものがありました…。よく上手くいったよあんな作戦で。せめてもうちょっと細部にリアリティが欲しかった。主人公も観客も説得させるほどの…。

そういうわけで本当に合いませんでした。うるさい客でごめんなさい。上田監督は、もっと等身大で身近で、素朴だけどちょっと気の利いたラブストーリーとか撮ったら、すごくハマるんじゃないかなあと思います。そういうの見てみたいです。