『自然の道理について深く考えさせられる作品』
アメリカの広大な土地でオーガニック農場を築いた夫婦が長閑に暮らす話かと思っていたら、予想だにしない現実的な過酷さ。夫婦が美しい理想郷にたどり着くまでの絶えず壁に直面する日々が物語の大半を占めていて、思い通りに操れない自然界の生態系の均衡をどう保っていくのかという壮大なテーマが凝縮されているドキュメンタリーだった。
共存において担う役割がそれぞれにあること、犠牲になるものによって生きるものがあるという現実、決意だけでは命は守れないこと、普通に生活していたら見ることのない場面を観察することでその全てを改めて痛感させられる90分。
犬との約束と妻の夢を原動力に理想の暮らしを実現した夫婦がいるという事実が、自分の人生設計における可能性の幅を広げてくれる。自分のこれからについて柔軟に見つめ直してみるのもいいなと思える作品。
