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エターナルズの一のレビュー・感想・評価

エターナルズ(2021年製作の映画)
3.2
クロエ・ジャオ監督作品

『ザ・ライダー』や『ノマドランド』を作り上げた監督が、自ら熱望してMCUを手がけるともなれば期待せずにはいられないという反面、不安な要素もなくはなかったけど公開を非常に楽しみにしておりました

まずなんといってもダイナミックなCG技術やクオリティの高さは誰が観ても目を見張るものがあるし(火山シーン以外)、監督らしさが光りまくる壮大な自然をバックに捉えた美しい映像や、抑制の効いた演出がふんだんに取り入れられているので、クロエ・ジャオの作品単体としては全然納得できるのだけど、MCU作品として観るとちょっと物足りないというのが本音

ぶっちゃけると冒頭のド派手なシーンがピークで、2時間半を超える尺というのもあってか、その後は冗長に感じてしまうシーンがかなり多く、何気ないやりとりの中に含まれるジョークのひとつひとつや、まさか性描写まであるというのは驚いたりなど、他のMCU作品に比べると娯楽性は薄めで愛の要素多かったりと、全体的に大人向けの作品という印象なので観る人は割と選ぶんじゃなかろうか

とはいえ観る前までは、あまりにも過剰に多様性に配慮したポリティカルコレクトネス丸出しの設定である事を知ったときは、さすがにもういい加減にしてくれよ…と辟易しそうになってしまったりもしたけど、蓋を開けてみれば、それらを無理に押しつけてくる感じもなく自然と取り入れられているので、そういった意味での違和感は一切なく最後まで楽しく観ることが出来ました

キャストに関しては、マ・ドンソクだけはブレずに笑っちゃうくらいいつも通り過ぎたし、アンジーは一人だけハリウッドスターオーラが尋常じゃなく、役得すぎるでしょってくらいはまり役でさすがでしたね
バリー・コーガンに関しては『聖なる鹿殺し』のイメージがあまりにも強烈過ぎるので、覆すにはまだ少し時間がかかりそう

良くも悪くも1作だけでアベンジャーズ以上に馴染みのないキャラクターの数が多いので、名前だけでも覚えてから観ることをお勧めします
とにもかくにも、賛否は分かれそうだけど、観るなら確実に映画館一択👌🏻

〈 Rotten Tomatoes 🍅51% 🍿86% 〉
〈 IMDb 6.8 / Metascore 53 / Letterboxd 3.5 〉

2021 劇場鑑賞 No.061
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