邪澄n

エターナルズの邪澄nのレビュー・感想・評価

エターナルズ(2021年製作の映画)
4.3
7000年前にセレスティアルズ“アリシェム”の命により地球に降り立ったエターナルズは、ディヴィアンツの脅威から人類を守りつつ、文明を発展させ何世紀にもわたり人々を愛し見守ってきた。
そしてティヴィアンツの脅威は時を超えた現代にも牙を剥き始めていた。
セルシとスプライト、そして危機を知り駆けつけたイカリス達はエターナルズを再集結させるのだが…。
そこには恐るべき真実が隠されていた。

今作は、今までのMARVEL作品の中で極めて異質な作品になっている。
公開前から新規の登場人物が多い為に一抹の不安を抱いている人も多く見受けられたが、鑑賞してみてそれが杞憂だったことがわかった。
登場人物一人一人の描かれ方がとても丁寧で、なおかつそれぞれが持っている葛藤やそれを支える他のキャラクターの心情もしっかり複雑になりすぎない程度に盛り込まれていたので、160分弱という長尺の映画の割にその長さを一切感じさせない作りになっていた。

ノマドランドでその才能を余すことなく発揮したクロエ・ジャオ監督だからこそ、風景の切り取り方や、それぞれが持つ雰囲気を最大限に活かす事ができたのだと思う。
また、今までのMARVEL作品では取り扱われてこなかった聴覚障害を持ったヒーローや同性愛のヒーローなども登場し、そして何より直接的なラブシーンをも盛り込んでくる監督の大胆さが細部まで作り込まれた映画なんだと感じさせてくれる。

ミッドクレジットで明かされる登場人物の正体は、原作を知っている人なら大体予想はついていただろうが、ポストクレジットにて登場するキャラクターには度肝を抜いた。まさかの人物が出てきてしまって、正直今までのMARVEL作品の中で1番衝撃的なキャラクターだったかもしれない。
それはきっと続編にて描かれるのだろう。
必ず見届けなければならない。
邪澄n

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