凄い凄い凄い凄い凄い凄い凄い。
MCU26作目にして、個人的には最高傑作キタ。いや、「アベンジャーズ /エンドゲーム」こそがマイベストだけど、あれは10年の集大成だから。ある種特別で殿堂入り。でもこちらは単体作品で、かつ初登場となる10人のヒーローを誰1人過不足なく見事に描き切ったッ!!
凄いよクロエ・ジャオ。
MARVELであってMARVELでないもの。それらしく、それらしくないもの。
賛否分かれてはいるけれど、僕は賛寄りの賛。群像劇好きのMARVEL好きには堪らぬ156分。時と膀胱が許すなら永遠に観ていられる。7,000年の歴史というおよそ映画史で今までない程の悠久の刻を刻む回想録に、よだれが止まらない。
遥か太古より絶対的存在であるセレスティアルズにより生み出され、邪悪なディヴィアンツから人類を守る事を命じられた不死の宇宙種族エターナルズ。7,000年の時を経て、今はそれぞれが離れ離れ。しかし再び彼らの前に更に強力になったディヴィアンツが現れる—— 。
カタカナは多いし、メンバーは総勢10人。苦手な方も多かろう。
しかしだ。セレスティアルズ、ディヴィアンツという存在、エターナルズのキャラクター名とそれぞれの特殊能力だけは頭に叩き込んで、いざ鑑賞して観れば何て事はない。10人ものキャラクターをきっちりと描き分け、掘り下げ、全員が推しと言える程の愛着を持たせる。
以下ネタバレぶっ込みの長文御免のエターナルズ愛を書き殴るッ!!
だって、アンジーよ!?あのアンジーがMCU入りよ!?§≡∫⌘§⊥&☆∂♯∮…
脳内バズるわ。セナ強い。惚れる。女神感強ッ。
そんでよ。アンジーとマブリーが手を携えて寄り添い合う画が観れるなんて、どんな奇跡よ!?ギルガメッシュのビンタ重ッ。それでいてエプロンで萌えさせる。MCUらしい軽口を叩けるシーンをぶっ込むセンスに脱毛ならぬ脱帽。
インドの映画スター、キンゴ。「ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ」のクメイル・ナンジアニすらもヒーローにしちゃう。指先から放たれる光線は僕の胸をも貫いた。カッコ良くて面白い。付き人カルーンを帯同させ、人間目線の語り部を備える事を忘れない、作り手側の工夫には恐れ入る。
少年の様なルックスの少女、スプライト。何故に自分は子供の姿で創造されたのか。その苦悩はマリアナ海溝の如く深い。彼女はイリュージョニスト。敵を惑わすその力にこちらも魅了される。
スピードスター、マッカリ。音速で駆け抜ける彼女は耳が聴こえない。手話でのコミュニケーションが可愛いったらない。
「聖なる鹿殺し」で得体の知れない少年を演じたバリー・コーガン。マッカリとのカップル感が微笑ましいドルイグ。万人の心を瞬時に操り、劇中ダークヒーロー的に描かれるも、誰よりも人類を愛していた1人。
発明家ファストス。地味な能力と侮るなかれ。終盤は瞬時に創り出した武器で見事な闘いっぷりに心底惚れるわ。手裏剣みたいなの投げるシーンが好き過ぎる。MCU初の同性愛者。
メンバーをまとめるエイジャック。ヒール能力を持つ彼女を早々に退場させるプロットに唸った。彼女を欠落させる事で一気に窮地に立たされるエターナルズ。演じるはサルマ・ハエック。
スーパーマンと同等のチート感。あんた強いよ凄いっすよイカリス。リチャード・マッデンカッコよす。
そして、MCUでは二度目の登場となるジェンマ・チャンが演じるセルシ。物質変化の能力を有する本作の主人公。
嗚呼、もう、全員が好き。
いやね、宇宙最強集団エターナルズが10人もいれば、ディヴィアンツなんて、そんなのチョチョイのチョイでバタンキューと捻ってポイの余裕のよっちゃんで大勝利でしょうよ?と思っていたのよ。最初は。
しかししかししかしよ!!
彼らだって無敵じゃない。全員が力を合わせないと勝てない。そんなヒヤヒヤ感をちゃんと演出してくるんだから凄い。容赦なく遠慮なく人数を欠けさせていく展開が胸熱。 MCUの脚本家達は本当に皆んな優秀過ぎて崇め奉りたくもなるわ。
ヒール能力を持つエイジャック。
唯一セナを抑えられるギルガメッシュ。
人類を想うが故に孤立しがちなドルイグ。
闇堕ちしていくイカリス。
彼を密かに想うスプライト。
失った力はあまりに大きい。
当初、こんな最強メンバーが今後MARVELヒーロー達と肩を並べて、パワーバランス合わんがなと心配していたけど、最終的にはいずれ来たるヒーロー集結に相応しいメンバーだけを残すっていうね。
うん、これなら「エターナルズは帰ってくる」のも頷ける。
壮大で抒情的で美しい。クロエ・ジャオらしく全ての画角が広い。それでいてそれぞれのキャラクターに寄り添う事を忘れない。
マクロでありミクロ。
アルファでありオメガ。
MARVELが10年かけて拡げてきたユニバースをビッグバンの如く、更に瞬時に拡げたクロエ・ジャオの手腕たるや恐るべし。
フェイズは4段階目のギアチェンジ。
もう、そこにトニーもスティーブもいない。でもそれでいい。僕らにはエターナルズがいるのだから。