まいこ

エターナルズのまいこのレビュー・感想・評価

エターナルズ(2021年製作の映画)
3.5
太古から人類を見守ってきた「エターナルズ」と呼ばれる者たちの活躍を、『ノマドランド』でアカデミー賞を受賞したクロエ・ジャオ監督が描く。

『アベンジャーズ エンドゲーム』後の世界を舞台に、これまで人知れず人類を守ってきたエターナルズが姿を現し、未曽有の危機に立ち向かう。遙かな昔から地球に存在し、7000年もの間、陰から人類を見守ってきたエターナルズ。最凶最悪の敵サノスによって半分が消滅させられた全宇宙の生命は、アベンジャーズの戦いによって復活したが、その時の強大なエネルギーによって新たな脅威が誕生し、地球に迫っていた。その脅威に立ち向かうべく、これまで身を潜めていたエターナルズが再び集結する。

フィクションを極限までリアルに描写し壮大な自然とファンタジーを融合させた私得作品。いやいやしかも『GoT』のロブ(リチャード・マッデン)とジョン・スノウ(キット・ハリントン)に作曲はラミン・ジャヴァディと、感謝せざるを得ないキャスティング。劇場で流れるCMは堂々たるメンバーにナショジオも驚きな人類の歴史の重みを感じるし、既に目から取り入れられる(前)情報にお腹いっぱい。

『X-MEN』を彷彿とさせる多種多様なキャラクター、『モンハン』に出現しそうな敵陣と『トランスフォーマー』?!トドメにエヴァみを感じ、無事昇天。クロエ・ジャオ監督のアニオタみを勝手に理解した。

全編通してリリース期が近かったシャンチーと同様に自然が特徴的。登場人物自体、神とその子、のような関係性から地球そのものをテーマにしているため、生態系の話に広がるとはいえ環境問題を訴求してくるのは若干作家性を感じてしまった(原作未読者が語るな)。
最近のポリコレムーブメントに配慮しがちな傾向を心配していたが同性愛や見た目による先入観をさらっと描いているのは惚れた。「無償の愛」は最強。

世界史でしか聞かないようなワード選びで考古学的興味を沸き立たせてくれたり、トレンドを上手く掴んだ笑いのシーンがあったりと個人的には好きな部類のマーベル作品だった。
ただ、アクション映画、というよりは神々の苦悩を描いたドキュメンタリーちっくなフィクション、かつ"動"より"静"が目立ちMARVELにしては毛色が異なるため注意。キャラクターの死によって地球外生命体だと改めて思わされるのは少し興ざめ。あと、米国人は広島のカットでどんな感情を抱くのか気になってしまった。

エンドクレジット1は正直「お前かよ」となったのは秘密。あ〜それにしても『ブレイド』めちゃめちゃ楽しみ。唐突な『Friends』にびっくり。
まいこ

まいこ