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エターナルズのmkのレビュー・感想・評価

エターナルズ(2021年製作の映画)
4.1
すごくエポックで、ヒーロー映画におけるマイルストーン的な映画だと思う。
まず、とても多様性に溢れていて、インクルーシブで、ヒーロー映画としてあるべき姿に感じられた。MCUのような大作ヒーロー映画は、子供たちの憧れやハロウィンでの仮装の対象にもなるし、人種やジェンダーという要素がすごく重要だと思うが、本作で多様なヒーローが生まれたというのは、本当に素晴らしいこと。

そして、主人公のイカリス(白人男性)が保守的で、あまり好ましくない考え方をするところがエポックだなと。今まで、主演ヒーロー(その殆どが白人男性)が正しい信念を持ち、ヒロイズムを発揮する流れが当たり前であったが、今までのMCU映画に対するアンチテーゼにも感じられた。
ジェンマ・チャン演じるセルシがキーパーソンとして真の主人公に上り詰めていく流れは、同じアジア人女性としても感慨深い。アジア系女性のキャラが大作映画で活躍するためには、アジア系女性が監督を務めることが不可欠であることを痛感させられた気もしたけれど。

あとは、広島の原爆について言及されていたことに驚いた。アメリカ映画であるにも関わらず、過ちとして言及するくだりがあったのは、やはりクロエ・ジャオだからこそのアイデアであり、実行であったと思う。

他にもクロエジャオを起用したからこそ生まれた表現や演出がたくさんあるような気がして、すごく良い作品だった。ストーリーは、B級によくありそうな内容だけど、クロエ・ジャオが作ることで、ナチュラルに壮大な映画になっている。普通に面白かった!

曲もめちゃくちゃ良い。ハンスジマーかと思ったら、ハンスジマーの門下生らしい。

マドンソクの早々の退場は残念だけど、マブリーなマドンソクをしっかり観せてくれたので満足。ハリウッド初出演にも関わらず、マドンソクをどう使ったらファンが喜ぶのかよくわかっている点は、製作陣さすがだなと。
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