二兵

ラ・マルセイエーズの二兵のレビュー・感想・評価

ラ・マルセイエーズ(1938年製作の映画)
3.8
ジャン・ルノワールの映画は、有名な物は殆ど観たのだが、そういえばコレは観ていなかったな…と思い、何となく鑑賞してみた。

フランス革命をテーマにした雄大な時代劇。と言ってもナポレオンまでやっていたら2時間どころか3時間でも済まなくなるので、扱われているのはバスティーユ襲撃から8月10日事件まで。若干中途半端な気がしないでもないが、まあ良いだろう…。

特定の主人公は居らず、義勇兵側、国王側、それぞれに所属する様々な人々にスポットを当てて、物語は進む。もちろん、ルイ16世もマリー・アントワネット王妃も出ます。ロペスピエールなんかは、何故か名前しか出ないけど。

どちらかに偏る、という事はなく、両方の描写を均等に描いているのは好印象。ルノワールの映画は、華やかな舞台装置と瑞々しい自然描写と、時代に取り残されつつある貴族の哀愁の描写、みたいなのが特徴であるけれど、この映画もそれは同じ。

CGも無い時代、とにかくエキストラの多さに圧倒されるし、あれだけの衣装と小道具を用意するのは大変だったろうな…とまあ、当たり前のことを考えてしまう(苦笑)。

更に、この映像自体も非常に古いので、見ていくうちに『その時歴史が動いた』的なドキュメンタリーを見せられているような、何とも不思議な気分に陥った。

まあ、真の主役は題名にもある通り、フランス国歌なんでしょうな…。
歌が生まれるまでの過程を描いたという感じ。ルノワールが好きな人ならば観ても良いんじゃないかなという作品です。
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