サンタフェ

プライベート・ライアンのサンタフェのレビュー・感想・評価

プライベート・ライアン(1998年製作の映画)
3.8
いつか観ようと思っていながら永遠に観ていなかったので鑑賞。

Netflix版「西部戦線異状なし」を観て思い出し鑑賞しました。思ったよりも全然”映画”してた…というのが一番の印象でした。

同じくスピルバーグ×トムハンクスのHBO「バンドオブブラザース」を先に観ていたので、あれの映画版(=半ドキュメンタリー)のような内容かと思っていたのですが、全然違いました。完全に架空のお話ですし、リアリティラインやエモーションの持っていき方などもザ・ハリウッド映画という感じでした。兵がわりと身勝手だったり普通に上下関係関係なく揉めたり、色々と牧歌的でした。

正直ストーリーラインの前提であるライアン設定はだいぶ荒唐無稽なフィクションなので、この映画を今の時代に出したらもはや叩かれそうなラインだと思うのですが、やはりあの頃のハリウッドはこういう題材をある意味で“虚構=エンタメ”として楽しむ余裕があったということでしょうか。個人的にはこのストーリー設定で素直に感動〜とはいきませんでした。

本作を観た後にバンドオブブラザースを改めて思い返すと、本作が死ぬほど売れたのでスピルバーグとトムハンクスが興行にあまり目を向けずひたすらやりたいことだけを突き詰めた結果、バンドオブブラザースが生まれたのかな…という趣きを感じました。おそらくは本作の方が(特に日本では)遥かに有名だと思いますが、せっかくなら本作を観た人にはバンドオブブラザースこそ観てほしい…!

有名な序盤の戦闘はやはり凄まじく、また「ようこそ映画音響の世界へ」を既に観ていたこともあり音響の素晴らしさが印象的でした。

とはいえ全体的に映像はかなり時代を感じる撮り方で、2005年のバンドオブブラザースにはあんまり感じなかったのにな〜となりました。本作が1998年で、マトリックスが1999年でロードオブザリングやハリーポッターが2000年で、バンドオブブラザースが2005年で。なんとなく私がちょうどその辺の世代ということもあり2000年くらいに私の中で映像の境目がある感じがする。まぁそれらの作品と近年のNetflixとかの作品の綺麗さはまた違うのですが、なんというか”昔の作品”って感じがするかしないかの境目、のような感じ。
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