天豆てんまめ

プライベート・ライアンの天豆てんまめのレビュー・感想・評価

プライベート・ライアン(1998年製作の映画)
4.3
「1917」IMAX体験から戦争映画を観たいと言い始めた長男と「シンドラーのリスト」に続き、この作品を再見したので改めて再稿してレビューします。

その前に恐縮ですが、一つご報告がございます。先日レビュー内でご案内しました‪、3月7日の映画を語らう‬カフェ会は、誠に申し訳ございませんが、開催日延期とさせて頂きます。

現在、コロナウィルスの日本国内の感染者が益々増加しており、昨日には小中高校の休校要請がいきなり政府より発表されました。

私も中高生の息子2人がおりますが、突然の発表に、私の妻はいまだ呆然としています。。

つきましては改めて、ゲストの菊地さん(東京国際映画祭の広報をされていらっしゃいます)と協議しまして、参加の皆様の健康への影響と安全性を鑑み、開催を延期することに致しました。

現在ご応募頂いている方々には個別にご連絡の上、別途調整のご相談をさせて頂いております。

※ゲストの菊地さんにも幼いお子様がいるため、次回開催日程は今後の状況をふまえ慎重に想定していきたいと思っています。ご理解頂けますと幸いです。

何より、皆様と皆様のご家族の健康と安全を心よりお祈り申し上げます。

ではレビューに戻ります。なぜ今、この作品という感じですが、、

こうなったら我が家で映画を見まくろう!と軽口を叩いたら、妻が全くの無表情で私を見つめていました😭😭絶賛反省中でございます。

この作品はDVD📀を持っているけれど冒頭のシーンをBlu-rayの映像でどうしても観たく再発注。やっぱり圧倒的に凄かった。。正直このスピルバーグ2作品立て続けに観ると「1917」とは重みと凄みが全く違う。

私は当時、何を間違ってか、劇場の最前列でこの作品を観てしまった。冒頭のノルマンディ上陸のシーンで私は映画数本分の体力と精神力を使い果たした。危うく失禁するかという(失礼、、)ど迫力。最後まで見続けられるか完全に自信喪失した記憶がある。ボートが海岸に着いた瞬間、機関銃からの射撃で次々と若い兵士が犠牲になる。弾丸はヘルメットを貫き、海中で撃ち抜かれる者もいる。遺体はバラバラになって宙に舞い、1秒前生きていた仲間が1秒後に死んでいる。まさに360度逃げ場なしの地獄絵図。カメラは激しく揺れ、臨場感も凄まじくその場で何回、私は弾を避けられず、自分が撃たれた気分を味わったことか。この映画史上に残る冒頭30分の怒涛のシークエンスこそ、スピルバーグの本気の刻印である。

決して受験生の息子とハンバーグを食しながら観る映画ではない😭

その後の展開は落ち着くが、一人一人のキャラクターに味わいがあり、なぜ、命懸けで見ず知らぬ兵士を探さないといけないのかという不条理と葛藤を抱えながら任務を遂行する彼らの本音に感情移入できる。そして、彼らを先導するトムハンクスの透徹した眼差しが、戦争の虚無感を無言のままに表現する。敵の戦車を前に、無為に銃を撃ち続ける、トムハンクスのあの表情が忘れられない。

盲目的な愛国心があろうともそんなことは関係なく、戦場は容赦なき地獄であることを骨の髄まで味あわせてくれる戦争映画の傑作だと思う。

ちなみに今日からIMAX公開の「地獄の黙示録」。今観るとどんな感情を覚えるのだろうか。今後TOHOシネマズも劇場運営に判断を下すかもしれませんが、、

皆さまもご無理なさらず、とはいえご無理しないなどできない状況の方がほとんどかと存じますが、何卒ご自愛くださいませ。

ひと時の映画の楽しみを心の糧に。。