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プライベート・ライアンのHKのレビュー・感想・評価

プライベート・ライアン(1998年製作の映画)
3.8
スティーブン・スピルバーグによる第二次世界大戦のノルマンディー上陸作戦を舞台に、一人の兵士の救出に向かう兵士達の戦いを描いた戦争映画。ウィキペディア見ると脚本にフランクダラボンさんがいるのね。

序盤のオマハビーチでの攻防は、戦争映画の戦闘シーンの中でも恐らく世界一を争える戦闘シーンであった。以前みたリドリー・スコットのブラックホークダウンの戦闘シーンと肩を並べるほど、素晴らしい臨場感のある戦闘シーンであった。何より銃撃や爆弾で四肢が吹っ飛ぶ描写を容赦なく見事に描いていたのは素晴らしい。ヘルメットを取ることすら命とり、一瞬の迷いで命を落とす。ここまで目が丸くなる戦闘シーンは久しぶりであった。

それゆえに、中盤のライアン救出隊の動向の部分はちょっと間延びしすぎちゃったような気がします。生意気言っちゃうかもしれないけど、つまらなくはないけど、かと言ってあそこまで時間を取る必要があったのかどうかとも思いました。ただ、ウェイドさんが死ぬ瞬間はやはり戦争の怖さというものを体感することができてそこはトラウマ、物凄い良かったと思う。相手を殺さずに逃すというのも人道的で良かった気がした。

終盤の橋での攻防の前での兵士たちが過去の想いで、特にスピルバーグ特有の家族の想いでに浸るシーンはとても良かったと思う。そこからの最後の橋での攻防も素晴らしかった。ナイフを突きつけるシーンとか、スナイパーが聖書の一文を読みながら撃つシーンはとても良かったと思う。一瞬の判断ミスが命取りなのである。

最後にライアンが母親との再会するシーンではなく、ミラーさんの墓に祈るという演出は、それまでの戦争映画とは異なりとても良かったと思う。彼らのその任務を果たそうとする意志が、彼の後々の家族の運命を救ったのだと思うととても深いラストであると思った。

しかし、個人的にはもうちょっと戦闘シーンがあればな~と感じるところもあるけど、この映画はWW2を経験した兵士の方々にも向けられていると考えると、反戦的なメッセージを入れるためにも彼らの痛切な帰りたいという気持ちを入れることが絶対に必要だと思ったので致し方ないとは思った。
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