フライ

プライベート・ライアンのフライのレビュー・感想・評価

プライベート・ライアン(1998年製作の映画)
4.5
戦争映画は、見ている者に、いかに悲惨さを伝えられるかが、大切だと思うが本作は画、感情全てにおいて伝わり正に名作であり大作だと思えた。
錚々たるキャストの中でもやはりトム・ハンクスの演技は素晴らしいが、スピルバーグとの相性も他の作品見るとよく分かる。

序盤のノルマンディー上陸で完全に心を鷲掴みにされた。余りのリアルさと残酷さは正直自分の手が冷たくなり血の気が引くのが分かった。特に心理面での残酷さや悲しさがひしひしと伝わり見ていて辛かった。

戦争映画は沢山見てきたが、当時これ程リアルな作品は見た事が無かっただけに正直引く部分も有ったが、それ以上に素晴らしさを感じた。

何ヶ所かで皮肉にも思えるシーンが尚更辛さを助長しているが、特に、ヴィン・ディーゼルが演じたカパーゾの殺されるシーンと、ラストのトム・ハンクスが演じたミラー大尉が撃ち殺されるシーンに、良心で行動した事による死が強烈な印象として心に残り、ライアン救出と言う命題が皮肉に思え涙が止まらなかった。
フライ

フライ