2018年 149本目
冒頭約20分の戦慄。俺が歴史の授業で教わったノルマンディー上陸作戦とはまるで違う、壮絶な場面。その撮影方法は、まるで1人の兵士の目を借りて戦場を見させられているような、ハンディカメラで撮影されていて、これまで経験したことのない映画体験だった。血は吹き出るし、腕はちぎれて飛んで行く。それこそまさに戦争映画であり、戦争を経験していない全ての人々が見るべきものだと思う。
ただ予想とは違い、ノルマンディー上陸作戦は冒頭だけ。そこからは行方不明のライアン二等兵をひさすら捜索するストーリー。彼の元に辿り着くまでの間に、人と人との争いや、仲間の間での決裂など、あの時代が引き起こした「最悪」なものが捜索隊8人を襲う。最初から最後まで、言葉では表し難い血生臭い銃撃戦であったりとか、善と悪の境目だとか、スピルバーグは多くのものを視聴者に伝えている気がした。
戦争は決してもう一度引き起こしてはいけないものだけど、果たして何が起こって、何が犠牲になったのか、その経験や事実は必ず後世に残していかなければならない。
