見て良かったとは思うが、軽々しく「面白い」と口にするのも違う、重い系の作品。
まぁ戦争を題材にすると重くなるものが多いからそれは特に問題ない。
しかし、この映画に関してはとにかくリアリティがあり、かつ一人一人の表情？と言うのか、死ぬ人に多少なりとも感情移入してしまうので、その辺の戦争映画以上に「もうこんな所に居たくない。帰りたい。」と思わせられる。
冒頭のノルマンディー作戦最悪の状況だったオマハビーチでの上陸作戦がこれ以上ない臨場感で描かれており、「なんでこんなドイツ軍が迎撃準備万端の所に主人公たちは突っ込んでるんだ？」と思い調べてみた。
すると、あらかじめ戦闘機で海岸を一掃し、上陸時も戦車とセットで突っ込む手筈だったのに、オマハビーチだけは雲のせいで戦闘機は低空飛行になり堕とされ、戦車は満潮のせいで船が浸水し使い物にならなくなったんだとか。
おかげで無防備に突っ込んだ主人公たち連合軍はこの映画の冒頭の通り酷い目に合ったと言う流れ。
冒頭の過酷なシーンを乗り越えた後、主人公たちの任務が言い渡され、この映画の本題が始まる。
ミラー中隊長が部下の死に責任を感じたり、責任を感じたり、とにかく責任を感じたりする訳だが、演技力も演出も凄く、心にグサグサ響いてくる。
ミラー中隊長の部隊がライアンという兵士を本国に帰還させるために探す。というのが任務で、ドイツ語が分かる兵士（実戦経験無し）を一人引き抜いて部隊に臨時で入って進むのだが、この臆病な兵士にも感情移入してしまう。
メタ的に言えば多分一般の方の反応を代わりにやってる役割なんだろうが、完璧にその役割をこなしていた。
いやー、さすがスティーブンスピルバーグっすわ。
