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フリー・ガイのkiritoのレビュー・感想・評価

フリー・ガイ(2021年製作の映画)
3.8
【48時間~愛(AI)はゲームを救う~】

いつも通りの朝、いつもどおりの銀行強盗・・・それが彼にとっての「日常」
ゲームの「モブキャラ」が主人公となったとき、世界はゲームはどう変わるのかを描いたハートフルコメディ映画。

ピクセル、レディープレイヤーワン、(新ジュマンジ)と・・・現実世界×ゲームの世界をテーマにした作品は近年増加している。
そうなると、きらりと光る「要素」がなければ他の作品と比較しても埋もれてしまうところだが、平凡(?)な(仮想的)日常を生きていた主人公が実はゲームの中のモブキャラという設定がまず面白く、構成としては「トゥルーマンショー」を彷彿とさせる。

「サングラス」というゲームの中の設定を終始一貫して描き、「サングラスをかけると世界が違ってみえる」という性質を終盤の戦いまで貫徹している点も大きい。
特に有名作品をある程度観てきている比較的ライト層の映画狂でもテンションが上がることは間違いなしのシーンもある。
「himself」登場も激アツだった。

自分の人生の中でなら自分は「主人公」であるはずなのに、なぜか他人と比較して「モブキャラ」として生きている人がほとんど(たまに「自分こそが世界の主人公だ」っていう違う人種の人もいるけど・・・)の中で、ありきたりだが、自分の人生を自分が主役として生きる為になにをしていくかが詰まっている映画ではある。

しいていうなら、ゲームをパクられたっていう設定が中途半端なので、回想シーンなんかをつかってその盗まれる過程や現実世界の男女2人の共同作業シーンなんかを描いてくれた方が最後のカタルシスにうまくつながるような気がするけど、コメディ映画だからご愛敬か。

2021.8.22
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