ひっきーくん

フリー・ガイのひっきーくんのネタバレレビュー・内容・結末

フリー・ガイ(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

自分が思っていたのと別の方向に話が進むのが大変熱い!

アクションの小気味よさやガイが本当に良いやつなのが大変見ていて気持ち良い。あとアベンジャーズのテーマが流れたのも、クリス・エヴァンスがカメオで出たのもキャプテン・アメリカの盾が出たのもマジで最高だった。もう二度とクリス・エヴァンスのキャップはないと思ってたから嬉しいサプライズでした。

ストーリー的にはこういうヒーロー誕生的エッセンスを盛り込んだ作品にありがちな、力を得たことで高慢になるが、恋人との不和を通じて自分を省みる………みたいな手垢の付きすぎてもはやガッチガチの展開もなく、純粋かつ誠実な彼の行動が本当に救いであることが美しい。

ラストシーンで実は自分はラブレターのような存在だった、自分の愛は借り物だった、と語る彼に そんなことはない!!胸の内なる熱い気持ちを裏切ることはない!! と言ってやりたかった。

しかしそれでいいのか? 

結局のところ、彼が持っていた片思いというプログラムこそ役割であり、内なる愛は本物ではなかったと、彼自身薄々納得していたのではないか?愛こそ彼の運命をしばりつける見えない重荷だったのではないか??
フリーガイというが作中では「ブルーシャツガイ」と呼ばれる。
なんとなくだが、サングラス族となり行動に制限がなくなったことをフリーと呼ぶのであればブルーシャツガイじゃなくうまい流れでタイトル回収でフリーガイと名乗らせるような気もする。

物語序盤でジョー・キーリーがアントワンの会社に残ったことや、ミリーとの確執までの下りなどうまく脚本に残せていればさらに美味しくなりそうな部分がいまいち薄いのも関連するが、焦点が絞られすぎていたということもあるのかもしれない。

なんにせよ観客が安易に求める愛や感動のカタルシスを投げ捨てたこともまたそれも王道からの逸脱であり、自由の意思表明なのかもしれない。