にくそん

ジョーンの秘密のにくそんのネタバレレビュー・内容・結末

ジョーンの秘密(2018年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

ジュディ・デンチの凄みが効いてるなあ。最後の表情とか、彼女の感情の内訳は推し測れないけど怖かった。

原子爆弾の研究開発に携わる女性が、こんなにうぶくて惚れっぽくて客観に主観を優先させる性格なのは怖いなあと思うけど、誰もそりゃ原爆を開発するために生まれてきてはいないから、そんなこともあるわな。

主人公は広島の惨状を見て、西側だけが強くなりすぎたら危険だと感じて、ソ連に原爆の研究開発データを渡しちゃうんだけど。どうなんだろうね。核の均衡とか核抑止とか。そうかもなあとも思うし、なに言ってんだとも思うし。原爆が落とされたから戦争が早く終わったのだ理論と同じで、それが一面の真実だとして、それでも受け入れがたいことってある。

なんか、ずっと寒いところを歩いているような映画体験だったな。感情移入できる登場人物とか、ほっとできるひとコマとか、そういうのなしに始まり、続き、終わった。戦争にはちょっと反対さ、という気持ちだけ新たにしておいた。
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