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トムとジェリーのumisodachiのレビュー・感想・評価

トムとジェリー(2021年製作の映画)
3.8


あの『トムとジェリー』の実写映画化。『ロジャーラビット』のような感じで、2次元のベタ絵を実写と合成している。息子と観たので吹替版。

ニューヨークにやってきたジェリーは、高級ホテルの片隅に居を構える。セントラルパークでパフォーマンスするトムをからかったことで、トムに追われる日々を楽しんでいた。そんな中、バイトをクビになったケイラが要領よく高級ホテルのスタッフに潜り込む。ホテルでは週末にセレブカップルの結婚式が盛大に開かれることになっており、その担当者として雇われたのだ。しかし結婚式は大変な騒動になってしまい……。

いま9歳の息子も『トムとジェリー』は大好き。長い歴史のあるアニメではあるものの、セリフがないので赤ちゃンの頃から楽しめる。だから、今でも子ども向けの病院や託児所で頻繁に流れているんだよね。ちょっと意地悪で頭の良いジェリーと、お人よしで抜けているトムの追いかけっこという単純な構図はどんな展開でも飽きない。もちろん本作でもそんなトムとジェリ―のじゃれ合いがふんだんに取り入れられているわけだが、全体のストーリーとしてもけっこうよくできていた。

基本的には『摩天楼はバラ色に』や『ハウ・トゥ・サクシード』系の物語。クロエ・グレース・モレッツ演じるケイラが適宜ウソをつきながら出世をもくろむコメディだ。軽快で嫌味がないクロエ・グレース・モレッツの芝居は好感が持てるし、唯一の憎まれ役を演じるマイケル・ペーニャや飛び道具的に使われているケン・チョンが良いスパイスになっている。

基本的に底抜けに良い人しか出てこないので、安心安全。ウェディングパーティのシーンなど劇場版映画ならではのスケールも感じさせる要素もあるし、オチもしっかりついている。誰にでもおすすめできる優等生的な映画だと感じた。

とかくこういった作品は「結局あの人だけ割を食ってない?損してない?」というモヤモヤが残ったりしがちだが、その辺りもキッチリ回収している隙のなさも良い。映画館に行きたいけど何観ようかしら?という人には、ぜひ『トムとジェリー』をおすすめしたい。楽しいし可愛いよ。













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