ひらり

朝が来るのひらりのレビュー・感想・評価

朝が来る(2020年製作の映画)
4.5
辻村深月原作未読。
河瀨直美監督、脚本、撮影。

佐都子と朝斗の物語から清和、ひかりの物語をしっかり描き、広島のベビーバトン浅見が繋ぐ構成が好きだ。

高層マンションから映し出される風景、木漏れ日、ざわめく風の音、煌めく海、
映し出される光からキャストの心情、葛藤が伝わる。

危なっかしくキラキラした初恋。
娘の気持ちなんか一切考えず世間体だけを考える母親。分からなくもない。
わかって欲しいのに分かってもらえない孤独。孤独から逃げ堕ちてくひかり。
娘を持つ自身にとって、ひかり目線ではなく母親目線で見てしまい複雑な心境。

予期せぬ妊娠をなかったことにしたくないひかり。なかったことにしたい母親、それを好奇の目で見る親戚。
ごめんとなかったことにする彼。
なかったことにしない栗原夫妻、佐都子

血が繋がらなくても愛情いっぱいに育てられた朝斗と佐都子は親子にかわりない
ジャングルジムの件、真実がどうであれ佐都子は朝斗を信じた。やってないと思えば、佐都子の中ではそれが真実。

深い愛情の中で育つ環境とても子供にとって大切だと思う。子供を育てられない環境の女性、子供が欲しくても恵まれなかった夫婦にとって特別養子縁組は必要だと感じた。

ベビーバトンのような施設が広く知れ渡れば救われる命(赤ちゃん)、女性が増えるだろう。養子縁組みのあっせん、出産前の妊婦さんを預かり出産までサポート
出生とほぼ同時に養子縁組みした家庭へ赤ちゃん。朝斗のように幸せなんだろう
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